2018年07月30日

【ソムリエ試験対策〜合格する為にやってみた24の事〜】

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ソムリエ試験は第一次試験(筆記)、第ニ次試験(テイスティング・論述)、第三次試験(サービス実技)を約4か月かけて行う長丁場の試験です。
2017年に受験・合格しました。
2018年は今、まさに一次試験!

各試験に合格しなければ次の試験を受験する事が出来ない1年に1度限りの試験なのです。受験資格は「職務を通算3年以上経験し、第一次試験日においても従事している方」
もしくは、「ソムリエ協会会員歴が2年以上あり、職務を通算2年以上経験し、第一次試験日においても従事している方」
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働きながらの受験勉強が必要とされます。

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申込みを済ませると数日後に送られてくる公式テキスト。
年々厚くなっていきます。年々生産国(地域)も増えていますので…

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公式テキストからランダムに出題される為、極端な話「一冊丸暗記」が理想的です。…が中々大変。情報量がご覧の通りです(600ページ)
1か月位勉強すれば大丈夫でしょ!と思っている方は多分落ちます。
そして問題数と難易度から、当てずっぽうにやって合格する事もまず無いです。

勉強するにあたり、生産量ランキングやイタリアのDOCG、各国の法律など変更する事も多々ありますので、(その為テキストは毎年改訂されます)歴史的な背景や醸造過程、主要品種別地域の特徴などに纏めて、体系的に理解する事が必要かと思います。

近年ではフランス中心の出題から各国まんべんなく出題される傾向になりました。
ソムリエ協会の会長が田崎真也さんになってからの改革の一端です。

私は過去にフランスに住んでいたアドバンテージもあった為、他国の勉強に時間をかけられました。
昔はメドックの格付け暗記やブルゴーニュのグランクリュ、イタリアのDOCG暗記が必須だったのですが…
上記の事からソムリエは「合格してからも常に勉強の資格」と言われております。
そして試験対策的には「結局は公式テキストが1番の教材」と。
目まぐるしく変化する試験内容に、非公式テキストやワインスクールが追い付いていないというより、
「公式テキストからランダムに出題される」からです。

予めまとめてある非公式テキストを熟読し、プラス公式テキストを確認するのか、
公式テキストを自分なりにまとめるか。
私は後者をオススメしてます。(だって公式テキストに載ってない事は出題されないもの。過去に出題された時は受験者の抗議で無効問題になった事例があります)

また、試験対策については最近合格した方の体験談の方が効率的です。
今のソムリエ試験のレベルは、10年位前のシニアソムリエ試験と同じ位のレベルです。
もっと昔ですと筆記試験は出題範囲が予め発表されていた時代もあったそうです。
実技(以前は2次試験でテイスティングと実技。論述は無し)においては合格率9割。
現在とはまるで様子が違いますね。

誤解のない様に説明しますと、昔の試験レベルが低かったのではなく、年々レベルが高くなっているのです。
昔と比べてインポーターの功績により海外の造り手さんが来日して、講習会・プロモーションを開催したり、日本人がワーキングホリデービザなどを活用して海外へ醸造の勉強をしに行ったりという事が増えてきました。
海外とタイムラグの無い環境になりつつあります。

今は史上最高の難易度!と感じていてもどうでしょう?
例えば日本ワインがさらにどんどん発展し、「格付け」や「生産地域呼称」が当たり前の時代が来るかもしれません。そうしたら更に情報量は増えます。さあ大変!

ですので試験対策的には2016年〜実際に受験された方の体験談を参考にされた方が無難かと思います。
もしくは今現在シニアソムリエに挑戦されている方。

筆記試験の出題傾向については「フランス至上主義からの脱却」だと予想されます。
ソムリエの他EU、ニューワールドの知識・見解を深める事により、お店で扱うワインが変化していきます。
連鎖的に国内における他EU・ニューワールドの消費量も変化していきます。
様々な思惑を含めた出題傾向である事は否めませんが、決して後ろ向きな事ではありません。
各国のワインを輸入する事により、その国々にも日本のワインを輸出しやすくなります。
(今現在、東京オリンピックを踏まえて日本ワインの国際規格化が急速に進んでいます)
ワイン大国EUに日本ワインを受け入れてもらう為の外堀政策に、ニューワールドとの取引実績は欠かせません。
日本ワインの市場を海外へ拡げる布石でもあるのです。

ここからは2017年の私の勉強方法と試験対策を紹介させていただきます。
ご自身に合った対策を見つけて下さいね。一人ひとり覚え方は違うし結果も違うので。
これさえ押さえておけば大丈夫!なんてものは残念ながらありません。

因みに私はお客さんの名前を覚えるのも一苦労な、基本的に調理場に籠もりがちな料理人です。

先ず、受験するにあたり途中で「あきらめない」事。
「あきらめたらそこで試合終了ですよ…?」
試験前日まであきらめなかった人が合格します。
決して安くない受験料ですし、落ちたら再試験は1年後です。
モチベーションを1年保つのは中々大変な事だと思います。

一次試験対策でワインスクールには通わず独学でしたので、色々と工夫をしました。

1.YouTube 小林 史高さんの試験対策講座を観まくる。(昔の動画ですのでややフランス中心)
合格した暁には是非お会いしたいと調べたところ、50歳の若さでご逝去されてました…。
本当にお世話になりました。
動画は若干昔のものですので、変更になっている部分等を踏まえご覧下さい。
2.過去問5年分、時間をはかりながら解く。
3.書き込み式テキストに書き理解する。
4.公式テキストを最初から最後まで呟きながら通し読みする。

2と3はテキストを購入し数回やりましたが時間的に余裕が無く、
隙間時間でも常に勉強できるよう携帯電話のアプリに切り替えました。
4.をやる事により、「えっ!こんな問題もでるの?」という焦りが無くなります。「あっ…何だっけな…」という感覚でしたら、選択回答の場合は選択肢を見て思い出す可能性が高いのです。
過去に王道と言われた問題も、過去にマイナーと言われた問題も同じ1問です。
時間の許す限りインプットしましょう。合格する方と落ちる方の僅差は、マイナー問題の取り扱い方の差です。

因みに私は公式テキストに一本も線を引いたり印を付けたりしませんでした。
印や線を書いてしまうとそこだけを注目してしまうと思ったからです。

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5.レコールデュヴァンの無料アプリ
賛否あるけれど無料だから文句言ったらアカン!

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6.白地図 (有料バージョン)
少し高めですが合格する為にはと割り切る。
今も勉強ツールとして重用してます。

二次試験対策(テイスティング)
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7.こちらを購入しワインを飲みながらニュアンスの検証をしていくも…
なんか違う…これは合格した後のブラッシュアップツールかも…
8.インポーターの試飲会に積極的に行き、単一葡萄品種のワインを飲み比べる。
(特に主要品種)
9.エノテカの試験対策講座(単発)に行く。 http://www.enoteca.co.jp/shop/sapporo_maruyama
10.オータムフェストのウィスキー飲み比べブースで勉強。
11.「みるく村」で勉強。 https://macaro-ni.jp/39508
12.歯科・耳鼻科で異常無いか検診する。
13.念には念を入れ「札幌ワインスクール」の二次試験対策講座に申込む。
http://www.sapporowine.com/sp/
14.某インポーターに模擬試験をお願いする。
15.コーヒー・カレーは暫く控える。

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16.二次試験対策は実際の試験形式に近い「テイスティングコメントシート」を使用しながら検証していくやり方が良いです。
実際の試験は短時間で判断しなければならないので、コメントシートの勉強方法ですとやや事務的になりますが、試験の為と割り切って下さい。
空欄に感想を書いていく記述式のテイスティングコメントの勉強方法は個性的な表現が出来ますが、試験対策としては微妙です。時間配分が取りにくくなります。
先ずはコメントシートを理解してとにかく合格する事。
記述式表現は合格した後で良いのです。ワイン会やコンテストでは無いので…

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17.日本の「マスカットベーリーA」と「甲州」は必ずテイスティング。
可能であれば「桔梗ヶ原メルロー」も。

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18.試験は基本的に単一葡萄品種。
最低限でも代表6品種やミュスカデはおさえておきたいところです。
試験ではガメイ、サンジョヴェーゼ、ジンファンデル、ヴィオニエ等、変化球もあります。
香りで判断出来るレベルになっても迷う事もあります。
外観・香り・味を的確に当てていく事が加点のポイントです。
品種はそこから導き出された答えと考えて下さい。
EUとニューワールドの特徴も必須。
全国の試験会場と受験者数を考慮すると、出題されるワインは1200〜2500円位の可能性が高いのです。よって、ブラインドテイスティングの練習は同じ位のワインが良いと思います。

試験会場によっては水に氷が入っている場合もあります。
口にふくみ過ぎると味覚が鈍るので注意。
グラスを手で温めて、ワインの特徴を感じ取りやすい温度に調節するのもテクニックのひとつです。
酒精強化ワインは白・赤ワインの回答を終えてから。モノによっては舌が麻痺しますので。

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19.蒸留酒・リキュールは普段からバーなどで飲むか、試験対策講座に参加しないと中々難しいと思います。
インターネットで数種類セット売りしてる事もあります。

二次試験対策(論述)
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20.公式テキスト外のトレンドを問われる事もあります。
2017年は「オレンジワイン」について。
ソムリエ協会主催のセミナーや会報誌にヒントが多々あり。

三次試験対策
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21.必ず使い慣れたソムリエナイフで。
焦らない事。
22.他の受験者の言動に引っ張られない様、時間内にマイペースで。
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23.パニエが無ければパンかごなどで代用し練習。
ボトルの角度を意識して抜栓する。
24.時間内に終わらせないと減点。時間をはかりながら練習する。
詳しくはソムリエ協会公式HPの三次試験配点概要にて。

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ソムリエの資格はあくまでも通過点です。
日々精進しなければ、ただの葡萄のバッヂになってしまいます。
セミナーやインポーターの試飲会など、自ら勉強の場を作る事が必要です。

受験される方、働きながらの勉強は大変かと思いますが、踏ん張りどころです!
努力は必ず報われます。

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それにしてもちょっと振るい過ぎでしょ2017年ソムリエ試験!笑
確実に年々難易度が高くなっています。
2018年の北海道地域呼称認定や中国の本格的な進出、温暖化によるワイン分布図、少子化によるワインの立ち位置・消費量などキリがありませんが、変化こそワイン文化が衰退していない証でもあるのです。
posted by Le phare at 00:00| 灯新聞