2019年10月02日

なぜ消費税20%のフランス国民は大丈夫なのか

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ついに日本の消費税10%、
軽減税率も導入されました。
この消費税、1954年にフランスの財務官僚が考案した
徴税の仕組みで「フランス史上最高の発明」と言われて
おり、現在では160ヶ国が導入しています。フランスでは 「Le taxe sur la valeur ajoutee 付加価値税」
と呼ばれ「TVA」とレシートに表記されます。

軽減税率が日本よりも遥かに複雑
複雑なのですが、基本的に税込価格で表記されている
ので消費者側はあまり税率を意識していないようです。

まず標準税率が20%です。
軽減税率が10%・5.5%・2.1%の3種。
商品やサービスに応じて税率が区別されます。
その区別理由がちょっと面白いのでご紹介。

・アルコール飲料 20% 健康を害する可能性がある為
・外食(食事、非アルコール飲料) 10% 生活に楽しみや
潤いを与えるので
・外食(テイクアウト) 5.5% 持ち帰る為
・パン、チーズ 5.5% 欠かせない必需品
・サンドイッチ 10% 嗜好品
・映画、演劇 5.5% 文化、芸術活動促進
・新聞 2.1% 新聞産業保護
・ミルクチョコレート 20% 嗜好品
・ビターチョコレート 5.5% 生活必需品
・フォワグラ、トリュフ 5.5% 国内の生産者保護の為
・キャビア 20% 嗜好品、国内生産者があまりいない為
・バター 5.5% 国内の畜産業保護の為
・マーガリン 20% 工業製品の為

…こうしてみると、如何に国がフランス文化・産業保護に力を入れているか明白ですね。
税収が主目的の日本とは少し様子が違います。
サンドイッチとチョコは微妙な区別ですが…笑

フランス国民もTVA増税を乗り越えて現在に至ります。
賃上げストライキ等でしばしばバス・地下鉄を止める
フランス国民が何故20%TVAを我慢できたのか

それは…「納得のできる税金の使い道」で
反対意見が少なかったからといわれています。
医療(ガン・糖尿病等の場合通院のタクシー代も補償)
学費(幼稚園から高校まで無償)
失業保険(2年、月額は日本の3倍)
同棲カップル&出産(夫婦と同等の社会保障)
手厚い老後の社会福祉などなど。

因みに先日、日本の金融庁は老後に2000万円必要
との報告書をまとめました。
増税前のパフォーマンスとしては斬新ですね。

フランスで生活していた私が感じたのは…
日本はかなり暮らしやすい国です。
外国人観光客も居心地の良さ、ホスピタリティに
感動して、滞在日を延長する方が増加している様です。

街も綺麗ですし消防車や救急車も世界一速く
駆けつけて下さいます。
一方、暮らしやすい分、インフラなどハードの部分
に税金をかけ過ぎている感は否めません。

都市部では当たり前の様に家の周りが舗装され
蛇口をひねれば水が出てくる。
道路のカーブにはガードレールがあり
街路灯も沢山設置されています。
事故防止、犯罪抑止の為ですが、
舗装、設置すれば維持するにもお金がかかります。
しかし人間、当たり前の事には有難みを
感じにくくなります。

いまだにフランスはパリのマンションですら貯水タンク
式給湯器で、長湯すると水風呂になる建物が沢山あり、
何百年も昔の石畳がそこら中に残っています。
これも当たり前の事なので、フランス人は特に不便だと
感じていませんし、歴史の保護という観点でむしろ
誇りに思っていたりもするのです。

例えば日本で築50年以上のマンションに住むと周りから
心配される事が多いと思います。
フランスでは築100年以上のマンションが沢山あるので
俳優の〇〇さんが住んでたマンション!素敵!
政治家〇〇氏はここで革命を試みたんだ!かっこいい!
となるのです。
歴史が身近にあるのですね。

普段の生活、身近なところでハードの部分に税金を
優先的に投入する日本と
(勿論それだけではありませんが)
普段の生活、身近なところで社会保障などソフトの
部分に税金を優先的に投入するEU圏。

医療も結婚も生活も宗教上の制約がある為、
税金を使う側も納める側も
そもそも日本とは考え方が違うのかもしれません。

海外でよく議論される日本の有効な徴税方法は、
日本は世界一食べ物を捨てる国なので
「食品廃棄税」が合っていると言われています。
研究の結果、廃棄量が減りすぐに徴税も見込める
そうですので是非、次回の増税前に取り組んで
いただきたいと、
小さな飲食店の店主は願っております。
posted by Le phare at 08:00| 灯新聞